COLUMN

「よく眠れない」を年のせいにしないでほしい理由

2026.08.20

外来で「最近よく眠れなくて」と相談されたとき、私はまず、その方の一日の過ごし方を聞くようにしています。

年齢を重ねると眠りが浅くなる。これ自体は事実です。深い睡眠の時間が短くなり、夜中に目が覚める回数も増えていきます。ただ、そこで話を終わらせてしまうと、本当は手が届いたはずのものを見落とすことがあります。

眠れなさの背景にあるもの

眠れないという訴えの奥に、別のことが隠れている場合があります。日中の活動量が落ちて、体が眠りを必要としていない。夕方以降のうたた寝が、夜の眠りを削っている。あるいは、痛みや頻尿で目が覚めている。気持ちの落ち込みが、眠りのかたちで現れている。

どれも「年のせい」という一言でまとめてしまうと、見えなくなってしまうものです。

確かめてみてほしいこと

まず、朝の光を浴びているかどうか。体内時計は光でリセットされるので、朝にカーテンを開けて外の明るさを目に入れるだけで、夜の眠気の訪れ方が変わることがあります。

次に、日中に体を動かしているかどうか。散歩でも、庭仕事でも構いません。体が疲れていないと、眠りは深くなりません。

そして、夕方以降のうたた寝。短い昼寝は問題になりませんが、夕方に寝てしまうと、夜の分の眠気を先に使ってしまいます。

それでも眠れないとき

こうしたことを整えても眠れない日が続くなら、それは相談していい状態です。眠れないことを我慢し続ける必要はありませんし、背景に治療できる原因があることも少なくありません。

眠りは、生活の質そのものに直結します。「年だから」と諦めてしまう前に、一度、確かめてみてほしいと思っています。


※この記事は一般的な健康情報であり、個別の診断や治療方針を示すものではありません。気になる症状が続く場合は、かかりつけの医療機関にご相談ください。

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